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石亀泰郎の『やあ 小さな仲間たち』の子どもたち。 

「子どもばかりなぜ撮るのですか」と、よく訊かれるのですが自分でもよく分からないのです。もしかすると、ぼくが小学生の時叔父夫婦に育てられるようになったことと関係しているのかも知れません。五人兄弟から急に一人っ子になって北海道に行ったので、仲間がほしかったのでしょう。「エリザベス・サンダースホームから誰か貰ってきて兄弟にしてほしい」と養父母に乱暴なことをねだったことがよくありました。
学校を出てすぐ二人の息子が生まれたのですが、男の年子だったのでゴチャゴチャと団子のように育っていくのがとても楽しそうなのでした。なんとなくカメラを向けていたのが写集集「ふたりっ子バンザイ」なのです。これが第一作です。きっと仲間のいる息子たちの暮らしがうらやましかったのでしょう。
ですから、ぼくが子どもを撮りたい気持ちの本音は、仲間に入れてもらいたいという非常にプライベートな気持ちから発しているのかも知れません。
世界のいろいろな国を歩いて、約3000日も一人の旅をしてきたのも、やっぱり仲間に入れてほしくて、歩き回っていたような気がしてなりません。